撮って見た 其の372011/06/11 10:48:25

ゴールデンウィークに撮ったフォト。

撮って見た 其の37-01
苧環(オダマキ)。
苧環は西洋種を中心に園芸種が多いが、此れは日本の品種で、深山苧環(ミヤマオダマキ)を園芸化した物で、「基準変種」とされて居る。 この花の外側は萼で、内側の筒状の部分が花弁。

鎌倉でこの花を見れば、静御前の有名な逸話と歌を思い出さずには居られない。

  吉野山嶺の白雪踏み分けて 入りにし人の跡ぞ恋しき
  しづやしづ賤のをだまき繰り返し 昔を今になすよしもがな

手にして舞ったのは、次の深山苧環だったのだろうな。

撮って見た 其の37-02
深山苧環(ミヤマオダマキ)。 苧環の原種に当たる。
フォトでは、この花の特異な形状が良く判る。 花弁の基部から延びた「距」が萼の間から突き出て、其の端は丸まって居る。 距を5本柱の糸巻に見立てて、この名前を当てたのだろうが、其れは「枠糸巻」で有り、紡いだ麻糸を巻いて中空にした「苧環」とは違う物なんだけれどね…

撮って見た 其の37-03
大山苧環(オオヤマオダマキ)。
此方も日本の品種。 「距」がそこそこ巻いて居るので、この個体は「山苧環」よりも「大山苧環」に分類した方が良いと思われる。

撮って見た 其の37-04
蛍葛(ホタルカズラ)。
発光して居る様なブルーの色に因んでこの名が付いたそうだ。 左上の窓の様に、白い星型が花の中心で輝く。 栽培は難しいらしい。

撮って見た 其の37-05
猿猴草(エンコウソウ)
右下の窓の様に茎が横に長く伸びる。 この様子を手長猿の手足に見立てて、命名された。 一寸、蛇の印象が有って、気持ちが悪い位だ。 花は立金花(リュウキンカ)にそっくり。

撮って見た 其の37-06
大葉立坪菫(オオバタチツボスミレ)。
菫は好きだが、如何せん種類が多くて、セミプロ諸兄のホームページを漁って、漸く同定。
湘南では立坪菫は数多い。 「坪」とは道端や庭の事で、何処にでも咲くと云う意味。 「立」は、萎花後に茎が起立すると云う性質を表す。 だが、この「大葉立坪菫」は「立坪菫」の親戚では無く、「如意菫(ニョイスミレ)」の近縁とか。

撮って見た 其の37-07
白雪芥子(シラユキゲシ)。
白雪芥子はエオメコン属の花だが、この花一種のみの単型属。
中国名は血水草(ケッスイソウ)。 草液がそんな色をして居るとの事だが、切ったばかりは濃い橙色。 此れが暫くすると朱色に変わって来る。 一方で、英語名はスノーポピーと愛らしい名前が付いて居る。

撮って見た 其の37-08
和蘭芥子(オランダガラシ)。
小生が好んで喰べる「クレソン」は、菜の花の仲間。 明治時代に上野のレストラン精養軒で、外国人用に調理された茎の断片が不忍池に流されて根付いたと云う話は良く聞くが、其処から全国に繁殖網を広げる程の旺盛さだ。

撮って見た 其の37-09
行者葫(ギョウジャニンニク)。
修験者が山籠の最中に喰べたので、この名が有る。 だが、精力が付き過ぎて修行に為らないと禁喰にされたと云う結構?な御話も有る。
減ったとは云え、未だ山中には自生して居る場所も有り、ハイキングの昼喰に添えるのを楽しみにして居る方もいらっしゃると伺った。 だが、本家に負けない程の口臭が有るので、要注意。 最近はスーパー等で売って居るのも見掛けるので、栽培もされて居る様だ。 意外に高いのね…と調べたら、生育期間が5年から7年との事で納得した。

撮って見た 其の37-10
白花蒲公英(シロバナタンポポ)。
関西蒲公英と桂林白蒲公英の交雑種。 5倍体で単為生殖(雌花だけで種子を作る事)も出来るそうだ。

撮って見た 其の37-11
花車(ハナグルマ)。 
黐躑躅/餅躑躅(モチツツジ)の園芸品種。
花弁が細長く、深く切れ込んで居る。 黐躑躅と同じく、萼や花柄、葉等に腺毛が有り、其処から粘液を分泌して、喰害を受ける昆虫を捕捉して居る。

撮って見た 其の37-12
石楠花(シャクナゲ)。
御存知、ツツジ目ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属の石楠花。 やっぱり、躑躅には近いのね。 光が強かったので、花の色を強調して居るが、真中の蕾の色は強めて居ない。

撮って見た 其の37-13
錨草/碇草(イカリソウ)。
先日、薄紫の花を見付けたが、白花も咲いて居た。

撮って見た 其の37-14
山躑躅(ヤマツツジ)。
花弁が妙に細いが、雄蕊が5本でこの色なので、山躑躅だろう。

撮って見た 其の37-15
鶯神楽(ウグイスカグラ)
過日、花を撮ったが、既に果実に為った(失礼)。
御茶目な御樗蒲口(おちょぼぐち)と可憐な色相がとても気に入った。

撮って見た 其の37-16
岩八手(イワヤツデ)。
葉が八手の様で、岩場に咲くのでこの名前が付いたが、丹頂草の別名も有る。 蕾が丹頂鶴の頭の様に赤いからと云う説と、八手葉の形と長い花茎の先に花が付く様子が丹頂鶴に似て居るからと2説有る。 ユキノシタ科の花。

撮って見た 其の37-17
瓢箪木(ヒョウタンボク)。
花瓢箪木との区別が難しいが、葉に細かい毛が有るので、瓢箪木の方だと思われる。
勿論、「吸葛」(リンク)の仲間で、良く似て居る。 花色が白から黄色に変わるのも「吸葛」と同じで、「金銀木(キンギンボク)」の名が有る。(吸葛の別名は「金銀花」) 6月頃に赤い実が2個づつ密着して生るので、其れを瓢箪に例えた。 この実は如何にも喰べられそうに見えるが、強い毒が有り、「嫁殺」の異名が有る程だ。

撮って見た 其の37-18
姫空木(ヒメウツギ)。
唱歌「夏は来ぬ」で歌われて居る「卯の花」とは、「空木」の事だ。 作詞者は4月(卯月)を代表する花と思ったのかも知れない。 区別が難しいが、葉に星状毛が少ない事や雄蕊の翼の上端が突き出て居る様に見えるので、「姫空木」とした。 ゴールデンウィークに此れだけ咲いて居る事からも、そうなのだろう。

撮って見た 其の37-19
藤躑躅(フジツツジ)。
御日様を真艫に浴びて居るので、色が飛び気味で同定が難しい。 湘南では珍しいが、西日本の躑躅、「藤躑躅」かと思われるが… 「藤」の名は、其の色由来だ。

撮って見た 其の37-20
芹葉飛燕草(セリバヒエンソウ)。
先日のフォトでは、判り難かった花のシェイプが掴み易い。
でも、ピ、ピントが…