今日のワイン 其の4832010/10/24 12:15:11

サヴィニー レ ボーヌ ルージュ VV ルイ・シュニュ
Savigny Vieilles Vignes Louis Chenu Rouge 2006

今日のワイン 其の483

幸亭花火の宴、3本目の赤。 此方もブルゴーニュの女性醸造家の佳作。 キャロリーヌ・シュニュは5代目の当主だが、子育ての真最中と云うから驚かされる。 小さなドメーヌならではなのだろうが、此れから花開く…そんな印象を詰め込んだボトルだった。 どうも造り手のイメージだけでなく、ワイン其物のキャラがアニェス・パケと被って仕舞った様だ。
此方も非常に薄い色をして居る。 濃い目のロゼと云っても信じる人が居るかも知れない(笑)。 此れも新時代のブルゴーニュのピノと申し上げて良いだろう。 ブーケは強くは無いが、レッド・チェリー系だろう。 だが、儚過ぎないだろうか…と、一寸、気にし乍、グラスに口を付ける。 瞬間的に…は、云い過ぎだが、直ぐに判った事が有る。 「御目覚で無い…」 サヴィニーらしい、と云えばそうかも知れないが、素気無さ過ぎでしょう。 で、少し待って見たが、そう簡単には開いて呉れない。 VVに期待の凝縮感だが、重厚さよりも神経質なイメージに繋がって居る。 ヴィンテージからして、フレッシュネスは当然としても、透明感の有るチェリー香が尖がって居るので、実際の液質よりもずっと固く感じて、ミネラル感が台頭して居る。
一寸諦めた気分で、3,40分もテーブルに置いたグラスを再び持ち上げて見た。 確かにややマイルドにシフトして、ラズベリーの仄かな甘さが感じられ、タンニンもそこそこ物語る様には為ったので、バランスが改善された様に思える。 だが、其処迄… このボトルを次に抜栓するなら、2015年を待つのが良さそうだ。 アニェス・パケの後に飲んだので、割り喰った感が有り、可哀想だったボトル。

今日のワイン 其の4842010/10/24 12:22:57

バロン・ドゥ・ラホヤサ グラン・レゼルヴァ
Baron de Lajoyosa GRAN RESERVA 1998

今日のワイン 其の484-1

幸亭で花火の後に抜栓した4本目は西班牙(スペイン)のワイン。 御主人の差し入れは、彼の国に有り勝ちな金糸でボトルが飾られて居る。 一寸、見忘れる事は無いだろうと云うエチケットのボトルのヴィンテージは98年。 良い年だった筈だ。 セパージュは、50%がガルナッチャ、テンプラニーニョとカリニェーナが30%づつ…って、計算合わないんですけど(笑)。 流石は鷹揚な御国柄だ。

今日のワイン 其の484-2

黒光りするように鮮やかな紅色でエッジが少し黄色い様に見える。 先の2本とは全く違うキャラで、同じ「ワイン」で括るのが、難しい程だ。 レーズンやバニラに加えてベリーと云うには甘過ぎる濃厚芳醇なブーケが、背景を揺らめかせ乍立ち上って来る。 おぅおぅ、只物じゃないな…此れ。 先の2本とは違って、抜栓する前から御目覚めだった様なパワフルなタッチとテイストだ。 そう重くは無い、寧ろフルボディにはカテゴライズされないんじゃないかな。 テイストもブーケとほぼ同じ印象だが、結構、しっとりしたタッチに変遷して行く…スパイスを感じて居ると、甘味が増して来る… ん? ラズベリーっぽい妙な余韻が出始めて… うん?? どんどん疲れて来ちゃって居るのかな??? 間違い無いな…翌日はもう飲めないタイプで、栓を抜いたら1時間位で飲んで仕舞うのが御利口さんの嗜みだ。 此れは不思議なボトルだったなぁ。 本当に先の2本と違い過ぎで、だからワインって面白いのかも。

F1 2010年 韓国GP 決勝2010/10/24 20:20:00

てっきりキャンセルに為ると思って居たのだが、工事も政治も頑張って、何とか開催に漕ぎ着けた霊岩(ヨンアム)での韓国GP。 少なくとも走った印象に関しては、思った程の悪評では無い様だ。(SCの試走でコースアウトとか…(笑)) 其れにしても、長閑と云うか不便と云うか、野焼の煙がサーキットにも届こうかと云う程に辺鄙な場所の様だ。 ソウル(「京城」や「漢城」の漢字表記に対しては、韓国人が非常に悪い印象を持って居るし、此等を「ソウル」とは読めない。 「首爾」と云う表記は、日本語では無い)から、350キロも離れて居る。 将来は、此処がサーキットを中心にした近代都市に為ると云うが…
一方で、ヘルマン・ティルケ氏のデザインに依る、反時計回りのサーキットは面白い。 まぁ、何処かで見掛けたコーナーばかりと云う陰口も聞こえて来るが、小生の第一印象では中々良いコースに思える。 ピットの進入口だけは、怖いのだが…
この新しいサーキットでも、RB6が速い。 ま、当然だろうな、クオリファイの結果は。 其れにしても、一発で決めるセバスチャンの集中力は相変わらず驚異的だ。 前年も良くこんなファイトを魅せて呉れたが、He got it ! 。 マークもタイムドラップを1回に絞れば… いや、マークには向かないタクティクスかな。 マークは、小生の好きなパイロットでは無いのだが、チームからあれ程明様に「 For Sebastian ! 」と叫ばれては、流石に少し気の毒に為った。 日本GPの後の記念撮影の件等、マークの非礼を詰る声も有るが、マークの気持も判らないでは無い。 2010年のチャンプに為って、引退するのが宜しかろう。

心配/期待されたファイナルの雨だが、朝方は相当な降り(何時かの富士の様に駐車場陥没とか有ったらしい)で、サポートレースでも、結構、事故った。 スタート時にも相当な雨が降り続いて居り、のっけから10分のディレイでSCスタート。 此れで、レッドブル勢はニンマリだ。 特にイン側の偶数グリッドのマークには大ラッキー。 当然、各マシン共ウェット(旧エクストリーム)タイヤを装着。 しかし、相当な水がコース上に溜まって居る。 ジェンソンがレポートするには、「湖の様だ…、直線では前のタイヤさえ見えない」。 フェルナンドは、「こんな状況で運転した事無いよぉ~」 このSCは長そうと思ったら、3周目で赤旗中断! 暗く為る前にレースを終えられるのかな。 既に3周走って居るので、この儘ハーフポイントレースに為ったら、逃げるマークが益々有利に為る。 再スタートもSC先導で、16時5分。 此れで暗く為る前に42周(75%)出来るか? 漸く雨が上がろうかと云う16時40分過ぎに、SCイン。 其れは17周目。 早速、セバスチャンがマークを引き離しに掛る。

F1 2010年 韓国GP 決勝-2

19周目にターン13でマークが滑って、ウォールヒットでノーポイント(噫!)。 フェルナンドは際どくマークのマシンを避けたが、気の毒なニコ(折角クオリファイから良い走りを見せて居たのに)はこの貰い事故でリタイヤ。 当然、亦SC。 何台かのマシンがPI して、インターミディエイトに履き替える。 24周目にSCイン。 セバスチャン、フェルナンド、ルイス、フェリペ、ジェンソンのオーダー。 矢張、セバスチャンが速い。 上位は、ウェットタイヤの儘なので、何処で履き替えるのか、替え無いのか。 「ハーフポイントでもいいや」と云うセバスチャン。 31周目、セバスチャン・ブエミが3コーナーで派手にコケて、三度目のSC。 皆がインターミディエイトタイヤに替える。 ピット作業でもたついたフェラーリクルー、フェルナンドはルイスの後ろに為って仕舞う。
此処でオーダーを整理しよう、セバスチャン、ルイス、フェルナンド、フェリペ、ミハエル。 雲が薄く為ったのか、明るさが回復して、フルポイントの42周を消化出来そう? 34周目にSCイン。 ルイスはマシントラブル?でフロントのコントロールが効かず、あっと云う間にフェルナンドが前に出る。 一方で、フェルナンドがセバスチャンに迫りプレッシャーを掛けるのだが… セバスチャンはファステストで逃げる。 フェルナンドには、「タイヤを労れ、Not too aggressive. 」のラジオが飛ぶ。 フェリペがルイスを捉えられないと思ったら、ルイスのペースが回復して居て、なんとファステストを記録して、フェルナンドを再び追い始める。 ルイスは、こう云う事が多いよね… 41周目、ヴィタリーが(折角10位だったのに)最終コーナーで思いっ切りタイヤバリアに当たり、大破。 SCは? SCは…出無い。
42周を消化して、フルポイントレースが成立したのは、そろそろピットの灯りが目立つ様に為った17時34分。 45周目のセバスチャンのラジオ、「もう、ブレーキングポイントが見えない」。 当然、スチュワードへのアピールだ。 日没10分前。 此処でチェッカーだったら…と、セバスチャンはこの後、何度思うのだろう。 一方、ルイスは「この明るさなら、問題無い」。 其の無線が終わると同時の46週目、なんとセバスチャンのエンジンがブロー。

F1 2010年 韓国GP 決勝-2

彼はエンジンを労って居た筈なのだが… 女神が見放したのは、マークだけではなく、レッドブルチームだったのか。 セバスチャンのチャンピオンシップのポジションは、4位に落ちる。 喜ぶマクラーレンとフェラーリ。 ルイスのペースが落ちたので、フェルナンドは暗さに注意して走るのみ。 とうとう、55周を走らせ切って、チェッカー。 フェルナンドは25ポイントを得て、リーディングトップ。 チェッカー後のラジオで、フェルナンドの哄笑が流れる。 彼の笑い声を初めて聞いたかも。
一方、47周目にエイドリアンがストレートエンドでブレて、可夢偉のフロントレフトにヒット。 大したダメージは無かった様で無事に走り切って、可夢偉は8位でフィニッシュ。 尚、ジェンソンはボロボロの12位。 走りに覇気も感じられず、彼のシーズンは終わった。 いや、テレビの前の気楽な立場では、大いに楽しめた一戦だった。